rakumoの社長日記

「わずらわしいひと手間を、楽しい一瞬に変える」をメッセージに、仕事を楽しく生産的に変化させるクラウドサービスを提供するrakumo代表のブログ。

Google Cloud NEXT '18 San Francisco に参加してきました

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以前はGoogle Atmosphereという名称でGoogleの法人向けクラウドサービスのイベントが開催されていたものが、昨年よりGoogle Cloud Nextという名称で開催されるようになって今年で2回目のイベントが、7月24日から26日の3日間、サンフランシスコで開催されました。

 

当社もG Suiteと連携するサービスを提供するG Suite Technology Premier Partnerとして、昨年に引き続き私とプロダクト部長がこのイベントに参加させて頂きました。

 

Google Cloud Nextは、Google社がGCPをはじめとした法人向けクラウドサービスの新しい技術やサービスをいの一番に、世間に幅広く紹介するためのイベントです。昨年は1万人ほどの登録だったものが、今年は2.5万人を超える登録者があったそうです(参加者の方に聞いた話ではありますが、Amazon AWSのイベントRe:inventで4万人ぐらいだそうです)が、Google Cloudが昨年にも増して世間の関心が高くなっていることを実感します。

 

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会場はサンフランシスコの中心街にあるモスコーニ・センターという、西海岸にあるIT企業の冠イベントではお馴染みのところで開催されました。恐らくはのべ面積で東京国際フォーラムの数倍の広さはあると思われる会場ですが、大小さまざまな部屋を余すところなく利用し、キーノートをはじめとした大きな発表だけではなく、パートナー企業も含めた多数の展示や、GCPやG Suiteのハンズオンセミナーのようなものも多数開催されていました。

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私達は主にキーノートと小規模セミナーを中心に回ったのですが、今年のGoogle Cloud Nextのポイントを、GCPを活用する、主にG Suiteを中心とした法人向けサービスプロバイダーとしての観点で敢えて3つ挙げさせて頂くと:

 

  1. 法人のお客様の要求水準に応える(そして超える)サービス改善
  2. 機械学習、AIのサービス活用の加速
  3. 開発の生産性向上を目指したさらなる環境整備

 

というところだったのではと思います。既に日本でも様々なメディアで報じられているところですが、以下個別に少し触れさせて頂きます。

 

まず法人のお客様の要求水準に応えるサービスレベル改善ですが、G Suiteではセキュリティの強化がいろいろと図られています。クラウドの利用でまずセキュリティ面で課題となるログイン認証ですが、以前からG Suiteでも様々な多要素認証が提供されてきていました。

今回リリースされる物理キーのTitan Security Keyは、物理キーの完全性がGoogleによって保障されるものです。ログインID・パスワードとともに、USBやBluetoothによってPCやスマートフォンなどのデバイスに接続し、認証するこのキーを利用することで、よりログインの安全性を高めることができます。Titan Security Keyは近くGoogle Storeより購入可能になるとのことです。

 

また、これまでGoogleドライブのファイルのアクセス権限管理は非常に煩雑で、法人ユーザーにとっては管理の悩みの種でしたが、新たにG Suiteのセキュリティセンターに追加される「調査ツール」という機能を利用することで、どのファイルがどのように共有されているかを様々なデータソースにまたがって検索することができるようになり、ファイルとアクセス権の相関関係を可視化したうえで、一括してアクセス権限を変更するなどの操作を行うことができるようになります。

 

このほか、G Suiteのデータを配置するデータセンターのロケーションを指定できるG Suite data regionsなど、法人のお客様のサービスの信頼性に関する要望に応える改善がなされています。

 

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機械学習、AIのサービス活用の加速、という点では、やはり様々な発表がありましたが、代表的なものとしてContact Center AI(英語)に関する発表を挙げることができます。これはサポート受付など、コールセンター業務の改善に貢献するサービスです。

AIによるお客様からの電話やメールでの問い合わせの自動応答や、AIでの対応が難しい場合に適切な担当者に切り替えた後も、通話内容ややり取りの内容をAIがフォローしながら、お客様の問題解決につながる情報を担当者に提示していくことで、通話中の待ち時間を無くしたり、対応品質を上げるようなソリューションになっています。

 

最後の開発の生産性向上を目指したさらなる環境整備という点では、ここはGoogleが最も得意とするところということもあって、様々な発表がありました。

 

Googleはこれまでに、可能な限り早く、性能の高い、安全な様々なインターネットサービスを作り、リリースしていくための技術を作ってきています。

 

今回、これらに関する新しい技術・サービスの発表がありましたが、その1つとしてCloud Buildがあります。これはGitHubなど様々なレポジトリとつなげてGCP上でビルド、デプロイすることができるサービスです。

 

実際Stackdriverとこれを利用して、GCP上で性能の低いプログラムコードを検出して、デバッグし、それをビルドしてデプロイするという一連の手順を10分以内に進めるというライブデモなどが行われていました。

 

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また上の3つのポイント以外にも、組織のダイバーシティに関するパネルディスカッションや、組織の意識改革、チェンジマネジメントに関するパネルディスカッションなど、ソフト面でのセッションが様々開催される点も、このイベントの特徴的なポイントでした。

 

日本でも新しいサービス、技術の導入を本質的に忌避する組織がありますが、単純に良い技術を作っても、なかなか受け入れてもらえなかったり、広めていけなかった経験やノウハウを共有してくれる貴重な機会でもありました。組織を進化させるためには、技術だけでは難しく、それに向けた意志と具体的なプロモーション活動が重要ということを改めて認識させてくれました。

 

来年のGoogle Cloud NEXT19は、2019年の4月9日~4月11日にサンフランシスコで開催とのことです。これに先立ち、今年の9月19,20日には日本でも今回のイベントをフォローする形でGoogle Cloud NEXT ‘18 Tokyoが開催される予定です。当社も「G Suite と rakumo で体現。仕事の 1 週間はこう変わる。個人のパフォーマンスを最大限発揮できる仕組みとは? rakumo の取組みをご紹介」という題目で講演・出展させて頂きますが、興味をお持ち頂けた方はこちらよりお申し込み下さい。

(あとがき)

今回の出張とは直接関係ないのですが、サンノゼで働く旧知の友人と久々に会ったところ、カルフォルニアというとワインだけど、最近はビールのブリュワリー(醸造所)巡りが流行っているんだよ、と教えてもらい、ブリュワリーの1つであるBAREBOTTLE BREWに連れて行ってもらいました。

 

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醸造所では10種のビールの中から4つを選んで試飲出来るようになっているのですが、フルーティーなものから飲みごたえのあるものまで、様々楽しむことが出来ます(軽い食べ物も合わせて提供しているようです)。醸造設備の見えるところで飲むビール、なかなかオツです。

 

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シリコンバレーで財を成した人がワインに投資、という話はよくあるそうですが、最近では地ビールに投資、という話もあるそうです。ワインに代わるサンフランシスコのオフの過ごし方として、醸造所巡りもなかなかいいのではと思った今回の出張でした。

 

Google Cloud NEXT '18 TOKYOの当社出展概要につきましてはこちらをご参照ください。

 

第4回横浜国立大学アプリコンテストに参加してきました

私は横浜国立大学(私の出身校でもあります)で数年前に設立された校友会の理事を数年前より務めさせて頂いていますが、その中で在校生を中心とした学生チームによるWeb、スマートフォンアプリのコンテストである横浜国立大学アプリコンテスト(YAC)の実行委員長を担当させて頂いています。

第1回は現在学長でいらっしゃる長谷部先生が始められましたが、より積極的に学生の活動を支援していくため、第2回からは卒業生の協力を得るべく校友会で実施をお引き受けし、大学の協力の下運営を行っており、今年で無事第4回を迎えることができました。スポンサードを頂いた各社の皆様や、審査員としてご協力を頂いた皆さんには本当に感謝しております。この場を借りて、お礼申し上げます。

イベント自体は校友会の学生幹事グループで運営されており、彼らの不断の努力もあり、今年は私も開催ギリギリのところで少しお手伝いをするぐらいで運営に漕ぎつけることができました(こういったイベントを通じて、学生のマネジメント力が育成されるのを見られるのも、このイベントの支援に携わる魅力の1つです)。イベントの司会には横浜国立大学フェリス女学院大学放送研究会のご協力を頂くなど、様々な学内外のサークルが協力して開催されるのも、このイベントの魅力の1つです。

当社も少しでも学生のソフトウェア開発、ひいてはイノベーションへのモチベーション向上に繋がれば、ということで3年連続でスポンサーを引き受けさせて頂いています(イベントのページ)。

今年はコンテスト告知が弱かったこともあり、応募自体は昨年よりも少ないのが少し残念だったのですが、昨年受賞出来なかったチームが応募するケースが散見され、そういったチームが昨年に比べて著しく成長した作品を発表していたのがとても印象的でした。

実際、今年のソフトウェア開発部門の優勝チームは昨年も出場したチームでしたが、様々な汚れの写真をスマホで撮影し、それを機械学習を利用した画像分析で種類を判別、汚れの掃除法を提案するというアプリを開発しており、既にGoogle Playにも登録済み、という完成度の高さでした。

以前からあった「企画部門」「ソフトウェア開発部門」に加えて、学生の求めに応じて新設された「ハードウェア部門」も今年の魅力の一つでした。この審査のために、ハードウェアベンチャーの雄、Cerevoの岩佐さんにも審査をご協力頂きましたが、的確なコメントや審査に優勝チームの傘のレンタルサービスを提供する「傘ホーダイ」のチーム他、出場者の満足度もとても高かったように見受けられました。

こうしたイベントの運営は本当に大変ですが、いつも冒頭でお話する通り、日本のIT産業を大きく変化、成長させていくためにはシリコンバレーと同様、Pay it forwardの精神で後進に貢献していくことがとても大事であると思っています。私も様々な方から頂いたチャレンジする機会から得た知見を、少しでもいろんな人に共有していければと考えて、YACにも関わらせて頂いています。

YACは一般観覧も受け付けていますが、いろんな参加者の方からのご質問が学生を育てるものだと思っています。来年もまた開催されるかと思いますので、その際はご興味をお持ちのIT関連の方々にはご参加頂ければと思っています。

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企画部門優勝のチーム「はまっきだ」。待ち合わせアプリ「君の場は」の企画でしたが、自作のビデオによるプレゼンや、モックまで作りこんでいた点が優れたアイディアをより具体的に見せてくれました。

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画像で汚れ判定と掃除法を提案してくれる、チーム「くあっど」の"Let's clean up!"。iOSコンソーシアムから来て頂いた審査員の富田さんにも好評を頂きました。iOSでも作ってもらえるといいですね。まだリリース前なので不安定なようですが、アプリはGoogle Playこちらからダウンロード可能です。

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様々な大学メンバーの連携で提案された、ハードウェア部門優勝の「傘ホーダイ」。傘レンタル用機材の実機を持ち込んだデモが秀逸でした。審査員の岩佐さんからは「そもそもメンバーとして様々な知見を持った人が7名も集まったこと自体が素晴らしい」とのコメントも。

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手前みそですが、rakumo賞を贈賞したチーム「N」の見守り君1号。家に帰ってきた人を認識して、メッセージをTwitterに投稿してくれるシステムでした。ちなみに賞は、当社の事業にちなんでGoogle Cloud Platformの$500分の利用権です。

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懇親会では今回審査員を務めて頂いたCerevoの岩佐さんやイベントをご支援頂いている長谷部学長や田名部情報基盤センター長、ほか皆さんとも広くお話させて頂きました。

来年もよりレベルの上がったイベントになるよう、来年の学生の皆さんに期待しています!

(今更ながら)ブログを始めました

以前私も自身のブログを持っていましたが、当時自前のサーバで運用していて、クラウドが普及する過程で自前のサーバを捨てた際に、あまり更新しなくなっていたブログも併せて止めてしまっていました。

今年の8月末に株主の皆さんの構成が変わり、ありがたいことにかつての投資家の方をはじめとした株主の皆様にご支援を頂いて、あらためて当社独自の成長の機会を頂きました。その第一歩として、11月13日にオフィスを麹町に移転し、あらためて営業を開始します。

そういった背景もあり、今までは旧株主の皆様にいろいろとご助力頂きながらやっていたものを、一つ一つあらためて自分たちで進めていくことになりましたが、当社が社会のどういう問題を課題として捉え、それをどのように解決していこうとしているのか、その中で幅広く皆様にご理解を頂き、よりサービスをご利用頂きたいと思っているのか、こちらで発信させて頂ければと思っています。

ちょうど今、当社がパートナーとして利用させて頂いているsalesforce.com様の一大イベント、dreamforceに参加するためサンフランシスコに来ていますが、そこでも度々メッセージとして言われているように、AI、IoTといった世の中を大きく変える情報通信技術を背景とした「第4の産業革命」が起ころうとしています。これは産業の改革だけに留まらず、大きな社会の変革につながっていくものです。

多くの人がこの中で、自分は5年後、10年後どのように生きていくのだろうか、と不安と期待両方を持ちながら日々働いているのではないかと思います。実際、今回のdreamforceでもAI関連のセッションでは「これから無くなる仕事、生まれる仕事」についてしきりに話されていました。恐らく多くの人が答えを欲しい、と思っていることなのではないかと思います。しかし、答えはありません。

当社は日本の少子高齢化というトレンドを10年以上前から深刻な問題として考え、その中で自社の価値を提供させて頂く一つの答えとして、rakumoというサービスを作ってきました。ITにより働き方や生産性を改善するうことが、即ち今後の世の中の変化の中で、皆さんに貢献できることではないかと思っています。これは今も変わりません。

ただ、技術は当初の想定以上に大きく進化しており、社会の変化に対してもこの10年で大きな影響を与えることが明白になってきました。ただ、私たちはそこでただ不安に怯えるのではなく、明るく楽しく、技術を前向きに活用して、大げさかもしれませんが新しい仕事や生活、果ては社会の在り方をサービスを通じて提案できれば、と願っています。

日々、私たちは事業を通じて当社の営業担当やサポート担当がお客様より様々な意見を頂いており、そうしたご意見をもとにサービスの改善を遅まきながら進めていますが、こうした場で、普段私が接する様々な世の中の変調や、いろんな方々とのコミュニケーションで感じたことを開陳させて頂いて、そこで交わしたコミュニケーションから得られた将来の理想像から新たにサービスをデザインしていくことも、合わせて進めさせて頂きたいと思っています。

Googleさんやsalesforce.comさんといったクラウドのメガプレイヤーの皆さんとこの8年お付き合いをさせてきて頂いていますが、基本私は情報通信技術の未来に対してそれが最終的には人間に有益であると楽天的に考えています。こちらのブログを書き進める中で、皆さんと次の10年の働き方、生活、社会の在り方についてイメージを固めて、形にしていければと思っています。

ぼちぼちの更新になるかと思いますが、ご愛読よろしくお願いします!

(今回移転するオフィスでは、そうした働き方を自分たちでも実践していこう、ということで、今思うところをいろいろと形にして、皆様に見て頂こうと思って当社のリードデザイナーも積極的にかかわる形で作らせてもらいました。Googlesalesforce.com、そして当社のサービス、デバイスを実際に活用して日々働き方の改善を進めている様子を、是非ご覧に来て頂けるよう準備を進めています。準備が整い次第、あらためてこちらでも報告させて頂ければと思います。)